劣化対策アドバイザー資格 更新

劣化対策アドバイザー資格とは?

建築の仕事をしていると様々な資格が必要になってきます。

一般的に良く知られているのは建築士の資格ですね。

その中で今回更新になったのが劣化対策アドバイザーでした。

劣化対策アドバイザー?

あまり聞いたことのない資格かもしれません。

私もつぎて建設の家つくりを深く極めるまでは正直知らない資格でした。

つぎて建設が考える家つくり

【住む人の快適・安心・安全・健康】

そのための高断熱!

そのための高気密!

高気密とした場合、室内での化学物質の発生を出来る限り減らす。

そのための無垢フローリングやしっくい壁の採用など

進歩する技術と人として大切にしたいものの兼ね合いをどこで融合するか⁈ということを考えていく中で、防蟻処理をどうするか?ということにたどり着き今回の劣化対策アドバイザーの資格にたどり着きました。

劣化対策アドバイザーとは、

JBTA(一社 日本ホウ酸処理協会)が発行している資格で、

木造建築物の防腐防蟻措置・木材の劣化生物・劣化対策の方法

を知り実際の現場で生かせる資格です。


多くの建築現場で使用されている防蟻処理剤

実際に多くの建築現場では防蟻処理剤といわれるネオニコチノイド系の薬剤が使用されている事かと思います。

そんな中で

①高気密の住宅をつくる責任として室内空間に化学物質は出来るだけ使用しない方が良いと考えたこと。

②防蟻処理剤の場合、5年ごとの再施工が必要となるが壁の中などは後から施工することができないので確実に効果が保つことができているのか不明に思ったこと。

③建てた家を資産として100年残したいと考えた時にできれば半永久的に効果が持続するものが欲しいと考えたこと。

④かつ、住む人の健康を害さないものを選びたいという事。

これらの条件を満たせるものはないかと考えていた時にこのJBTAで取り扱っている「ホウ酸処理」というものに出会うことができました。


ホウ酸処理

ホウ酸とは、私が中学時代に元素記号を

スイヘイリーベボクノフネ・・・(あまり覚えてはいません、、、)と覚えましたが、5番目の【ボ】ボレイトになります。

自然界に存在する鉱石で目薬やワインの中に防腐のための添加剤として入っていたり、温泉としての要素であったりします。

ホウ酸は細胞の代謝を止めるという作用がある食毒で、人間やワンちゃんネコちゃんのような腎臓を持つ哺乳類にとっては体内に入ってしまっても尿として排出することができるので無毒と言えるものですが、腎臓を持たない昆虫や菌にとっては有毒な物質になります。ですのでシロアリやゴキブリに対して有効に作用してくれるわけです。

また、ホウ酸は耐性を獲得されないという特徴もあるためゴキブリ対策としてホウ酸団子が100年以上も有効に利用されているわけです。

さらにホウ酸は鉱石ですので薬剤のように揮発して効果が無くなるということが無く、半永久に効果を持続することができます。

一つ弱点を上げるとすれば水に溶けるということで、建築現場のように外の空間で雨に当たってしまう場合雨水に溶けてしまうため、濡らさない為の雨養生の手間が必要になるということです。

ですが、雨養生をすることで建物を濡らさないのであれば、それは住む人にとっても材木の腐れ対策としても良い事になるので、先の問題点を解決しつつ弊社の求める家つくりを可能にすることができる!ということで弊社では建物全体のホウ酸処理を採用をしています。


乾材シロアリ

劣化対策アドバイザーを取得する中で勉強したことですが、現在日本の国内でも外来種であるアメリカ乾材シロアリが1976年に江戸川区で発見されて以来増え続けているということです。

この乾材シロアリは日本国内に生息している地下シロアリと違い羽アリの状態で木造住宅の軒換気や家具などから室内に入ることができ、乾燥している木材でも食べてしまうということです。

また、ヒノキを好んで食べるためヒノキであればシロアリの害を受けづらいという効果も期待できないとても厄介なシロアリです。

ですが、この対策としてもホウ酸処理は有効で家全体をホウ酸処理することで軒先などからの侵入にも対処することができます。


まとめ

今回の劣化対策アドバイザーの更新は【つぎて建設の家つくり】を再確認する意味でも良い機会になりました。

木材の腐朽や蟻害は建物の強度にも影響を与えます。

腐ってしまった柱や土台では構造計算がしっかりしていてもその性能を発揮することはできません。

住む人の快適・安心・安全・健康

そして未来への責任

つぎて建設ではこれからもより良い家つくりを目指して様々な取り組みにチャレンジしていきます。


代表取締役 太田嘉洋