2024年 年頭のご挨拶

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

さて、いつもであれば新年を迎え新しい清々しい気持ちのお正月ですが、今年は1/1に能登半島にて最大震度7の地震が発生し大きな被害を出してしまいました。

連日の報道で大きくなる被害を聞くたびに心苦しいばかりです。

被害にあわれた方におかれましては言葉にならない思いですが一日も早い回復をお祈り申し上げます。


今回の地震の被害状況をTVで見ていると、建築という仕事をしているのでどうしても建物の倒壊状況に目が行ってしまいます。

1階がつぶれて2階がそのまま下に落ちている建物が多いことに気が付きます。

なぜこのようか倒壊のしかたをするのか?

原因として考えられるのは1階の壁量不足です。

通りに面しているため1階が店舗という形が多い様子で大きな空間を必要とするために壁を設けることができなかったのかと思われます。

店舗の場合こういった建物の形は多く見受けられるかと思います。住宅でも1階にビルトインガレージがある場合はこれと同じような状況になるかと思います。

建物の耐震性能を表す表示方法として耐震等級というものがあります。


耐震等級について

耐震等級1・耐震等級2・耐震等級3というものがあり3が一番強度が高く耐震等級1の1.5倍の強度になります。

耐震等級1は震度6強から震度7程度の地震が発生した際建物が倒壊・崩壊しない。ということが条件となっています。

読み方の一つのポイントとしては「倒壊しない」ということで、倒壊しなければ傾くことは許容されているということになります。つまり大地震1回で命は守るがそこに住み続けることはできない!と考えていただいて良いかと思います。

そして、東日本大震災や熊本地震、今回の能登半島地震の経験からわかるかと思いますが、大きな地震が発生した場合、その余震は本震と同クラスの大きな地震が発生するということです。

そのため耐震等級1の建物では1度は倒壊を免れたとしても余震で倒壊してしまうということです。

先に耐震等級3は耐震等級1の1.5倍と説明しましたが、実際にどの程度の強度かというと、熊本地震で震度6強を2回受けたとしても建物の損傷は小さくクロスのひび割れ程度でその建物に引き続き住み続けることができるという強度を持っています。

こちらの図は熊本地震の際の調査データです。


大地震が発生した際に救助の拠点として必要な避難所や消防署、警察署や市役所なども耐震の改修が進められたり建て替えの際の標準とされています。

建物の新築やリフォームをお考えの方はこの点に十分に注意してお話を進めてください。

つぎて建設でも当然耐震等級3を標準としてお話をさせていただいています。


皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします

改めまして皆さんにとって良い年になることをお祈りしています。

本年もよろしくお願いいたします。