現在の省エネ基準に満たない住宅が約9割
現在、原子力発電に対する考え方の変化や石油や天然ガスなどといったエネルギーを外国に頼らざるを得ない状況といった国内のエネルギー事情や、世界中で取り組んでいる地球温暖化防止対策に日本としても対応するため、運送や製造など各業界に目標値を掲げ国を挙げて取り組んでいます。
わたしたちの仕事である建築業界では、各家庭での省エネルギー化を進めCO₂の排出量を約60%削減するため、新築住宅の省エネルギー化・ZEH化を必須とし断熱の標準性能を底上げする法律ができる、などここ数年で住宅の建築を取り巻く環境が大きく変わってきています。
今のところはまだ継続されていますが、今まで断熱性能を上げるために支援されていた補助金も、この先の変化を考慮すると「補助の必要はない」という時が近い未来に起こるかもしれません。
一方で既存の住宅を調べてみると、全体の約90%が「最新の省エネ基準に満たない」ということが分かっており今後の大きな課題となっています。
(逆に捉えれば既存の住宅の約10%は「最新の省エネ基準を満たしている」ということになります。SWの住宅はこの最新の省エネ基準を満たす住宅になります。)
話を戻しますが、それら基準に満たない住宅は、非省エネルギーなだけではなく、健康や暮らしにも問題を抱えてしまっているということが「国土交通省スマートウェルネス住宅等推進事業調査」などからも明らかになっています。
(※スマートウェルネス調査については過去のブログ(2023年10月:室内環境と健康の関係)をご参照ください)
健康を守るための世界的指針は、冬の室温18℃以上
WHO(世界保健機構)は、冬の住宅の最低室内温度を18℃以上とすることを勧告しています。
この数字(冬の室温18℃以上)はWHOが全世界に向けて発信している数字ですが、ご存知でしょうか?
TVなどでなかなか取り上げられることもないので知らない方が多いのではないかと思います。
ですが、とても大切な数字ですので、このブログを読んでいただいた方には是非覚えておいていただきたいです。
また、イギリスではこの数字について、イギリスの保険省が冬季住宅内室温指針として
18℃を許容(最低)室温。
18℃未満で血圧上昇・循環器疾患の恐れ。
16℃未満で呼吸器疾患への抵抗力が低下する。
としており、18℃を下回る住宅には改善命令、16℃を下回る住宅には解体命令が出されます。
健康は人権と言われるほど、健康に対して安全性の劣る住宅には改善命令や解体命令を出すなどの取り組みが行われています。
健康な暮らしを求めるのは、世界共通の願いです。
ところで、いまのお住まい。冬の深夜の室温は何度ですか?
一度確認してみてください。
日本でも暮らしの質を高めるために高断熱化を積極的に推進中!
冒頭でもお伝えしましたが、日本もようやく住宅の高断熱化に向けて舵を切りました。
当時の菅首相がカーボンニュートラル宣言をし、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、国は段階的に住宅性能を向上させるための取り組みをスタートさせています。
2022年には住宅の断熱性能を示すレベルを明確に定め、それまでは民間の団体が定めたHeat20という等級にほぼ近い形で新しく、等級5~7という3段階を新設しました。等級7は世界的にみても最高レベルと言えるような断熱性能ではないでしょうか。
また、2030年には新築住宅への等級5の義務化が予定されており、断熱等級が上位へレベルアップしていくよう誘導しています。
ここで一点気を付けていただきたいのが、「最高等級」というフレーズで販売されている住宅です。
先にもお伝えしましたが等級5は2030年に義務化される予定です。
つまり2021年までに最高等級として建てられた住宅は2030年には最低等級となってしまう恐れがあるということです。
ですので今、家の購入を検討している方は、
「最高等級」というフレーズにはご注意いただきたいと思います。
このことについては、今の住宅業界が抱えている問題が多く関係していると私なりにいろいろと思うことがありますので、直接お会いした時にお聞きいただくか、今後のブログで書く機会がありましたらその時に、、、。
つぎて建設の家つくり
つぎて建設では、誰もが快適で健康に暮らせる住宅のスタンダードとして「みらい家」=等級6を標準仕様と位置づけ、お客様の「健康・安心・安全・快適」を守れる家つくりに取り組んでいます。
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